稗田のカルタ ―妖怪ハンター 23・24 うに
2013年 05月 07日
「鏡島」
大島・渚の住む粟木町の沖に“鏡島”という島があります。
ほとんど同じ大きさの鏡に映したようにそっくりな二つの島、“東島”と“西島”からなっているので、そう呼ばれていました。
お盆の最中のある日、渚のいとこの小学生、克男が姿を消します。
渚は克男は鏡島へ渡ったのではないかと言います。
漁師をしている克男の父は先日の海難事故で行方不明になりまだ遺体もあがっていません。
“東島”は人間の島だが、“西島”は化け物の島、と言われています。
もし新仏(にいぼとけ)の霊がまちがえて西島へ行ってしまうと、“海モッコ”と呼ばれる化け物にとられて家へ来れない。
克男は父の霊が海モッコに取られたと思っているので、鏡島へ行ったのではないかと渚は考えました。
渚が話を付けた、無口な船頭さんの船に乗って、二人は東島へ渡ってみると、克男の父の船“福浜丸”がありました。
鏡島は盆の間は誰も入ってはいけないことになっています。
二人の他に誰もいないはずなのに、西島にいる自分たちとそっくりな人影や、浜で網を引いている漁師を見かけますが、すぐに消えてしまいます。
不思議がっていると、網番をしているという老人が現れます。
網を引いている漁師を見たことを話すと「それは西浦のご先祖たちだろう」と言います。
「盆に東島で網を引くのはご先祖だ。西島で網を引くのは海モッコだ」
「ドザエモンが漁師の網にかかったらヱビスになるが、海モッコの網にかかったら、そいつも海モッコになっちまうのさ…」
小屋で寝ていた、克男を見つけ、3人で帰ろうとしますが、
無口な船頭さんも網番の老人も姿を消してしまいます。船はありますが、操縦できる者がいません。
翌日になれば漁師達が来るので、3人は島で一夜を明かすことにしましたが……