稗田のカルタ ―妖怪ハンター 13・14
2012年 12月 25日
「生命の木」は、映画「奇談」の原作です。
「奇談」予告編動画
かくれキリシタンの伝承「世界開始の科(とが)の御伝え」のことを調べに、東北の山奥の小村を訪れた、名も無い少年。映画では藤澤恵麻の役どころのようなので、藤澤君としましょう。
藤澤少年が村に着くと、なにやら慌ただしい様子。話を聞くと、善次という若者が殺害されたという。町から遺体を引き取る車(検死のため?)が来るまでの間、善次の遺体は、涼しい教会の地下に安置することにした。善次は、村から山ひとつ越した谷あいにある“はなれ”と呼ばれる集落の住人であった。
藤澤少年は、第一発見者である、神父とともに“はなれ”へ向かう、“はなれ”の人間は、善次も含め全員が痴呆同然であった。せまいところで長い間、近親婚を続けたためであろうと神父は言う。
“はなれ”に着くと、村人は重太老人一人だけを残して消え去り、廃村のようになっていた。
重太が言うには、村の者たちは「いんへるのへ行っただ」「それから みんなで ぱらいそ 行くだ わしだけ 行けね」
さらに善次のことを聞くと、善次は“はなれ”のみんなで殺したと言う重太。
そこへ、現れる稗田礼二郎は、この事件、そして“はなれ”の住民たちのことは「世界開始の科(とが)の御伝え」に関係があるのではないかと語る。「ばかばかしい」と一笑に付す神父。
本村の村人が慌てて知らせに来る。教会の地下から善次の遺体が消えたという、それを聞き、逃げ出す重太老人。「善ずさま許してくだせ!」
重太が逃げた先には岩山に隠された、かくれキリシタンの、礼拝所があった。
礼拝所の奥には、知的障害者らしき三人の男「三じゅわん様」。礼拝所の床に空いた、大きな穴の中には「いんへるの」が… そして殺害されすでに腐り始めていたはずの、善次が、生きて現れる。